砥石の砥粒

砥粒は被削材と直接接触する部分ですので、その選定は非常に重要になります。と言っても、セラミックスの加工では、ダイヤモンド砥粒を使用する場合がほとんどです。他の砥粒ではすぐに摩耗してしまい、効率的に研削することができません。ただし磨き加工では化学的な反応を起こさせるために、ガラスには酸化セリウム、シリコンにはシリカなどが使用される場合もあります。


ダイヤモンド砥粒

ダイヤモンドは天然ダイヤモンド(ND)と合成(人造)ダイヤモンド(SD)がありますが、砥粒に使用されるものは合成ダイヤモンドが一般的です。合成ダイヤモンドとは人工的に作られたもので、天然ダイヤモンドに比べ安価になります(小さなものに限ります)。また、レジンボンドなどの砥粒との結合力が弱い結合剤を使用する場合、砥粒に金属をコーティングし結合力を高めた砥粒が使用されます。これを金属被覆合成ダイヤモンド(SDC)と呼びます。金属をコーティングするのは結合力を高めるためだけではなく、熱伝導率の高い金属をコーティングすることで、砥粒にかかる熱によるダメージを軽減する効果もあります。

熱的性質

ダイヤモンドは熱に弱いという性質があり、600℃以上で黒鉛化してしまいます。被削材と砥石の接触点では1,000℃近くまで上がるそうなので、研削液による冷却は必須になります。

破砕性

合成ダイヤモンドを使用するのは、上記の安価であるという理由もありますが、破砕性をコントロールできる点にあります。破砕性とは壊れやすさのことですが、セラミックスの中でも硬度の高い材料を加工する場合、破砕性の良い砥粒を使用することで、摩耗して削れなくなった砥粒は負荷がかかり壊れやすくなります。壊れた砥粒は再びシャープなエッジが出来るため切れ味が持続する効果が得られると言うわけです。

その他の砥粒

ダイヤモンド以外の砥粒として代表的なものは、WA(白色アルミナ)、A(褐色アルミナ)、GC(緑色炭化ケイ素)、CBN(立方晶窒化ホウ素)などがあります。ダイヤモンドやCBN以外の砥粒は一般砥粒と呼ばれ、ダイヤモンドとCBNは超砥粒と呼ばれることもあります。上述の通りセラミックス加工ではダイヤモンド砥粒を使用することが多いですが、ラッピングなどの仕上げ加工では、一般砥粒が使用されることもあります・


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