ラップ(ラッピング)

ラッピングは面粗さを良くしたり、反り取りなどの目的で使用されます。ボンドで砥粒を固定した砥石のことを固定砥粒と呼びますが、ラッピングでは主に、水や油などの液体に砥粒を混ぜた遊離砥粒が使用されます。砥粒は主にダイヤモンドを使用しますが、加工物の硬度が低い場合はGC砥粒やWA砥粒を使用する場合もあります。


円定盤の上に加工物を載せ、その隙間に遊離砥粒の研磨剤を流し込み擦り合わせながら少しずつ研磨していく方法を片面ラップと言います。重りなどで加工物にかかる圧力を調節することで研磨速度をある程度コントロールすることができます。小さい圧力であれば良好な面を得られますが研磨速度は遅く、圧力を大きくすれば研磨速度は上がりますが面状態が悪化する恐れがあります。

これに対し加工物の下面と上面を円定盤などで挟み込み、上下面いっぺんに加工する方法を両面ラップと言います。片面ラップにくらべ、加工時間を短くすることができます。

遊離砥粒を使用する方法は比較的簡単に良好な面を得られますが、研磨剤による設備の摩耗や作業環境の悪化、研磨剤の交換作業等、管理が大変であるという問題点もあり、現在では固定砥粒によるラッピング方法が考案され、採用している会社もあります。

固定砥粒によるラッピングは見た目には遊離砥粒を使用する方法とほぼ同じですが、円定盤には砥粒が埋め込まれた砥石を使用し、研磨剤の代わりに水や研削液を流し込み加工物を研磨していきます。遊離砥粒より効率よく削れることや、研磨剤を含んだ廃油処理に悩まされないなどのメリットがあります。

ポリッシング

ラッピングと加工方法は一緒で、同じ意味でポリッシングという言葉が使われることもありますが、一般的には最終面仕上げなど磨き加工をポリッシングと呼びます。

砥粒はダイヤモンドを使用しますがラッピングよりも粒径の小さなものを選びます。また、化学反応を起こさせるために、加工物より高度の低い砥粒を用いて加工する場合もあります。石英ガラスには酸化セリウム、シリコンにはシリカなどが使用されます。


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