物性値の見方
- 初めて見る物性などは名前と数値を見ただけでは、その物質の特性をイメージするのは困難です。各物性の意味を理解し、ほかの物質と比較することで初めて、その物質の特徴を理解することができます。大抵は物性の単位を見ることで意味を知ることができます。
- ここではセラミックスで良く使われる物性値について解説します。各物性の単位は一般的に使用されるものを載せています。
物性説明
物性 | 単位 | 説明 |
---|---|---|
密度 | g/cm3 | 単位体積当たりの質量。 ここでは1cm3で何g(グラム)あるかを表しています。 |
機械的特性 | ||
曲げ強さ | MPa | 両端が支えられている状態の試験片の中央部に荷重を加えていった時に、試験片が破断する最大応力。 |
ヤング率 | GPa | 単位ひずみ当たりの応力を決める定数。 |
ビッカース硬度 | GPa | 試験片にダイヤモンド圧子を押し込んだ時の荷重と、その時に出来る窪みの表面積の比率から定義される硬さ。 単位は無次元値[Hv]や[kgf/mm2で表されることも多い。 |
破壊靱性 | MPa・m1/2 | その材料のき裂進展に対する抵抗値を表す値。数値が高いほど、き裂が入りにくい。 |
ポアソン比 | - | 縦ひずみと横ひずみの比率を表す値。0〜0.5までの値となり、体積が変化しない場合は0.5となる。 |
熱的特性 | ||
熱膨張係数 | ×10-6/K | 単位体積当たりの温度変化による、長さ・体積の割合。 |
熱伝導率 | W/(m・K) | 単位時間に単位面積を通過する熱エネルギー(熱流束密度)と温度勾配との比率。 また熱伝導率の逆数を熱低効率という。 |
比熱 | kJ/(kg・K) | 単位質量当たりの温度を1℃上げるのに必要な熱量を表す値。 |
耐熱衝撃性 | (⊿T)℃ | 急激な温度変化にどこまで耐えられるかを表す値。 |
融点 | ℃ | 固体が液体化する温度。 |
沸点 | ℃ | 物質が気体化する温度。 (厳密には、その物質の臨界点以下の圧力と液体の飽和蒸気圧が等しくなる温度) |
最高使用温度 | ℃ | 瞬間的に温度が上がっても使用できる最高温度。 |
電気的特性 | ||
誘電率 | 1MHz | 電束密度と電界の強さの比率で、誘電分極が生じる程度を表す。 (誤解を恐れずに言えば電気のたまり易さ) |
絶縁破壊電圧 | kV/mm | 絶縁状態が保てなくなる電圧を表す数値。 |
体積抵抗率 | Ω・cm | 単位長さ当たりの電気抵抗値。 |